カビ対策

新築、リフォームしたのにカビが発生する問題

新築やリフォームの場面では、建築途中の雨濡れや現代の気象条件、建材の変化によってカビが発生しやすくなっています。カビは家族の健康に影響するだけでなく、建物の寿命を縮める原因にもなるため、計画段階から明確な「防カビ対策」が必要です。本記事では、カビが発生しやすくなった理由、放置すると起きる二次被害、具体的な対策方法についてご説明します。

1. 新築・リフォームで「カビ対策」が必須になった背景

■ 異常気象による結露の増加(2025年時点)

近年、気温差や湿度変動が激しくなっており、室内外の温度差によって結露が発生しやすい環境が増えています。結露はカビの発生源となり、壁内部や床下に広がると深刻な被害につながります。

■ 建築資材の変化とカビ

シックハウス対策により、建材に使われていた防腐剤や防カビ剤が減ったため、建材自体にカビ胞子が付着しやすくなっています。
結果として、「新品の建材でもカビやすい」状況になっているのが現状です。

2. 建築途中の雨濡れが危険な理由

家の構造体がむき出しの時期に雨や風にさらされると、木材や断熱材に水分が浸透し、そのまま閉じ込められる形になります。
乾燥しきらない状態で工事が続けられると、後から壁内部でカビが大量に発生する可能性があります。

■ なぜ「カビ対策工事」が必要なのか?

濡れた建材は外観が乾いたように見えても、内部には水分が残っている場合があります。
内部に残留した水分がカビを育てるため、殺菌・消毒(除菌)を行って発生リスクをゼロにする必要があります。

3. 積層材(集成材)がカビに弱い理由

近年の住宅では建築精度を高めるため、積層材(集成材)が多用されています。

■ 積層材の弱点

  • 水が内部まで浸透しやすい
    →層構造のため、内部に水分が残留しやすい
  • 接着剤がカビの栄養源になる
    →接着樹脂は微生物(カビ)が繁殖しやすい成分を含む場合がある

そのため、雨濡れのリスクがある場所では従来以上に防カビ対策が必要になっています。

4. 雨漏れ・水漏れ後の“張り替えだけ”が危険な理由

「床を張り替えたから大丈夫」
「クロスを新しくしたから問題ない」
こうした対処だけでは、カビ問題は解決しません。

■ なぜ危険なのか?

濡れた部分の内部に菌が残るため、新しいクロスや床材の裏側で再度カビが発生します。

■ 必須の手順

  1. 濡れた部分の徹底乾燥
  2. カビ菌の殺菌・消毒
  3. 必要に応じた建材交換
  4. 再発防止処理

これらを行うことで、初めて「安心できる状態」に戻ります。

5. 家族の健康を守るための具体的なカビ対策

■ カビが健康に与える影響

  • アレルギー症状
  • 呼吸器への負担
  • ダニの発生助長

特に子どもや高齢者、アレルギー体質の方がいる家庭では早めの対策が重要です。

■ すぐ実行できる対策

  • 施工中・施工後の湿度管理
  • 結露を抑える断熱仕様の導入
  • 雨濡れの際は必ず専門業者の殺菌処理
  • 内部乾燥のための送風・除湿

6. 参考情報・出典

※以下は本記事作成にあたって参考になる公的資料です(2025年12月時点)

 

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