「置くだけ・吊るすだけでカビが生えない」(再び見かけるようになった広告)
今月、消費者庁は「設置するだけでカビを防ぐ」との表示について、根拠が認められないとして景品表示法違反に当たるとの判断を下し、再発防止策を求める措置命令を出しました。
それにもかかわらず、依然としてネットショップでは「吊るすだけで簡単に浴室のカビが防げる」といった広告付き商品が販売され、人気を集めています。実際、数年前にも「浴室に吊るすだけで効果がある」と宣伝された商品でカビが発生した事例が問題となり、同様の措置命令が出された経緯があります。このような広告は、5~10年のサイクルで繰り返し登場しているようです。
商品の成分については詳細な表示がなく不明ですが、中の液体が気化し、強い香料を含む殺菌成分によってカビの発生を抑制しているものと推測されます。しかし、その効果については科学的な根拠が明確ではありません。
重要なのは、この「置くだけ」で浴室内に広がる殺菌成分は、同時に人も吸い込んでいるという点です。
したがって健康被害の可能性も否定できません。さらに、浴室の換気扇を回せば殺菌成分も一緒に排出されるため、人への影響は少なくなる反面、効果も薄れる可能性があります。
購入を検討される際は、必ず人への安全性に関する表示をよく確認してからお求めください。